「国力」というとその言葉のイメージから国土の大きさであったり、国民の人口であったり漠然と感じているものである。ある日、バングラデシュの人口が日本よりも多く1.6億人であることを知った。日本は1.2億人である。そこで、改めて世界の人口についての統計を調べてみた。
アジア極東の中規模国という認識を「日本」に対して持っていたのだが、人口の順位では世界9位であった。10億を越える中国やインドはその国土の大きさからも、人口の多さからも大きな国というイメージである。ここ最近の経済成長の様子からいくと全体の底上げで、大きな消費国となっていくのも簡単にイメージできる。ECは集合体にすると5億だが、イギリス連邦のみであれば6200万人。集合体になることでの規模感を大きく感じさせていることが分かる。
ここからわかるのは、人口に比例して国の発展や世界への影響力があると言うことばかりではないということである。人口順に見たときの国順が今までの世界での発言力の大きさとは考え得難い。ただ、発展途上にあった国がその経済性を向上させていった時に、やはりインドネシアやバングラデシュといった国は大きく向上していくのであろうか。
一人当たりのGDP、成長率(2009年)を調べてみるとなんとその成長性で1位タイ国(8.7%)2位フィリピン(6.2%)。一人当たりGDPはシンガポールが日本とほぼ同じ。その後に香港・韓国・台湾と続く結果になっている。GDP総額でみると、1位日本、2位中国。その後、韓国・インドネシアと続く。
何を言いたいという訳ではないのだが、アジアにおいて日本だけが進んだ国ではなくなっているようである。今後予想される日本以外のアジア市場にマーケットがあり、消費地としての可能性を各地に求める動きが増えていくのであろう。ここ10年中国ばかりが市場性の大きさから注目されてきたがそれ以外の「小国」の成長性も目が離せない。日本から店舗進出を検討している「中小企業経営者」に聞くとやはり東南アジアの都市は魅力をもって写るらしい。
成長性と原点回帰が日本人の心をうつのかもしれない。
<参考>
中国13億、インド12億、EC5億、米国3.2億、インドネシア2.2億、ブラジル1.9億、バングラデシュ1.6億、ロシア1.4億、ベトナム8800万、タイ6800万、英6200万、韓国4800万、北朝鮮2400万、マレーシア2700万、台湾2300万(世界の人口推計2008年参照)
この記事は、2002年~2015年に雑誌掲載されたものに、加筆修正をしたものです。記述内容が当時のものであり、現状と違う部分が含まれています。